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マルキオン 【キリスト教グノーシス主義】

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ウィキペディアから引用し文を推敲しつつ、私見を述べています

マルキオン

マルキオン(Marcion 100年?-160年?)は2世紀のローマで活躍した小アジア(現トルコ)のシノペ出身のキリスト教徒。シノペのマルキオンとも呼ばれる。

聖書の「正典」という概念を初めて打ち出し、自らの基準に従って独自の「聖書正典」を作り上げた。

マルキオンの思想が正統なものでないと判断され、144年の教会会議で破門された。

このためマルキオンはローマで独自の教会を設立する。

彼の創設した教会はマルキオン派とよばれ、初めローマで盛んになり、後に各地へ分散して長く存続することになった。

マルキオンは異端とされたために教会による焚書が行われ、著書は現存していない。

しかしマルキオンの思想は彼を反駁した神学者たちの資料から逆に推測することが可能である。

特に重要なのはテルトゥリアヌスの著作『マルキオン反駁』である。

反駁者たちの文章から推測されるマルキオンの思想は次のようなものである。

まず、イエスはユダヤ教の待ち望んだメシアではなく、まことの神によって派遣されたものである。

ユダヤ教の期待するメシア像は政治的リーダーで異邦人を打ち破るという要素が組み込まれていたことがマルキオンには誤りと思えたのだ。


(今ではメシアという言葉は、宗教的な救済者を表して、イエス様を指すと考えられていますが、当時のユダヤでは、神から使わされ民衆を導く、政治的なリーダーを表していました

たとえば、エジプトからユダヤ人を導いたモーゼのような姿として捉えられ、当時ローマによって侵略されていたユダヤを解放に導く政治的なリーダーとして、メシア待望論が起こっていたようです

それ故、マルキオンはユダヤ教のメシア象は誤りと考えたのでしょう)


また、神が人間のように苦しむはずがないとして、イエスの人間性を否定した。

このようにイエスの人間性を単にそのように見えただけだとする考え方を仮現説(ドケティスム)という。

同時に彼は旧約の神(世界を創造した神・律法神)は、怒りの神、嫉妬する神、不完全な神であり、旧約の神がつくった世界は苦しみにみちた世界であると考えた。

一方、イエスの示した神は、旧約の神とは異なるまことの神、いつくしみの神であると唱えている。


(こちらは、以前の私の日記でも指摘したことと同じことを彼は述べています

神々の対立 宇宙人の勢力」にも書きましたが、人類を楽園(エデン)から追放した神の起源はシュメール神話にあります

旧約の中には、先住民を殲滅するような怖い指示を出す神が描かれたりしています

旧約の神とされる存在は、様々な異なる考えや個性を持っているように見えますが、実は、複数のメッセージを伝える存在がいて、地上の人間にはその違いが分からず、すべての存在を唯一の神と捉えてしまったのでしょう

マルキオンは、どうやらそうした違いのあることを分かったのでしょう

彼の考え方が実際は正しかったのですが、正統派から滅ぼされてしまいました

愛を説くイエス様の教えから流れたキリスト教が、後に魔女狩りや異端審問で、多くの人を殺め、植民地支配によって侵略を続けたのも、そのもとにあった神を捉え間違ったことに起因すると思います)


このことから、マルキオンはキリスト教徒にとって旧約聖書は必要ないと考え、自分たちのグループのために本当に必要な文書のみを選択しようとした。

これがキリスト教の歴史における最初の正典編纂作業である。マルキオンは福音書の中でルカによる福音書のみを選択し、新約聖書の諸文書の中から特にパウロの手紙を重視している。

このようなマルキオンによる正典の編集への反動として、2世紀以降キリスト教内でも新約聖書の正典編纂の動きが推し進められることになった。

また、マルキオンにはグノーシス主義的な傾きが見られる。マルキオンの思想に見られるように物質の世界を悪とし、それとは別の霊的世界を想定する二元論は、グノーシス主義の特徴を示しており、マルキオン自身がグノーシス主義に含めて考えられることが多い。

ただし、キリスト教グノーシス主義諸派の特徴として、創世記の独自な解釈や、啓示に導かれて様々な福音書等を創作する点が挙げられるが、マルキオンは逆であり正典を極端に限定して捉えている。また、認識(グノーシス)ではなく信仰を重視している。このため、グノーシス主義とは区別して考えるべきとする研究者もいる

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