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「再臨」他 ウィリアム・バトラー・イェイツ


ウィリアム・バトラー・イェイツ

彼はアイルランドを代表する詩人であり、秘密結社黄金の夜明け団(The Hermetic Order of the Golden Dawn)に入っていた神秘主義者でもあります

今日は彼の代表的な詩を紹介します




「再臨」
しだいに広がりゆく渦に乗って鷹は
旋回を繰り返す。鷹匠の声はもう届かない。 
全てが解体し、中心は自らを保つことができず、
全くの無秩序が解き放たれて世界を襲う。 
血に混濁した潮(うしお)が解き放たれ、いたるところで
無垢の典礼が水に呑まれる。 
最良の者たちがあらゆる信念を見失い、最悪の者らは
強烈な情熱に満ち満ちている。 
たしかに何かの啓示が迫っている。 
たしかに<再臨>が近づいている。 
<再臨>!その言葉が口を洩れるや
≪世界霊魂≫から出現した強大な像が
私の視界を掻き乱す。どこかの砂漠の砂の中で
ライオンの胴体と、人間の頭と、
空ろな、太陽のように無慈悲な目をしたものが
のっそりと太腿を動かしている。 
まわりに怒り狂う沙漠の鳥どものかげがよろめく。 
ふたたび暗黒がすべてを閉ざす。 
だが、今、私は知った、二千年つづいた石の眠りが
揺り籠にゆすられて眠りを乱され、悪夢にうなされたのを。 
やっとおのれの生まれるべき時が来て、ベツレヘムへ向い
のっそりと歩みはじめたのはどんな野獣だ?


「イニスフリー島へ」
さあ、起き上がって、田舎へ帰ろう。
そこで小屋を建てて
百姓をしよう 
そうすれば心安らぎ
虫や鳥の声も楽しめ
太陽も星達も微笑む 
今度こそ帰るぞ
この世のしがらみの只中に
故郷の島に寄せる
波音が聞こえるから


「年をとったら」
年をとってまどろみがちになったら
暖炉のそばで この本を手に取り
ゆっくり読みながら 思い起こしてごらん
自分が若かった頃の瞳の耀きを
多くの男たちが若いお前を愛した 
時には偽りから 時には真心から
だが年をとっていくお前の悲しそうな顔を
愛した男はひとりだけだった 
燃え盛る薪のそばに身をかがめて
すこし悲しそうにつぶやいてごらん
その愛も山の彼方へ逃げ去って
星屑の中に消えてしまったと


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